GOODMANに出会う [レコード]
Youtubeには思いもかけない意外なビデオがあったりする。
オーディオ機器の自慢なのかレコードの紹介なのか、ターンテーブル(レコードプレーヤー)でただレコードを再生しているビデオ。世間一般の人が見れば「ナンジャコレ?」の内容ですけど、レコード好きにとってはそんなものでも見ていて楽しい。飽きない。
と、今年の初めにその種のビデオをYoutubeで見ていた時、往年の銘機の上で回るレコードから流れる音楽のひとつに猛烈に惹かれてしまったのである。小編成のJAZZ。ビブラフォンの音が印象的で、なんとも小粋で洒落た演奏。
繰り返し聴いていたら頭の中でも鳴り始めて、曲名・演奏者を知りたくなったのですが、さてどうやって調べればよいのやら。投稿者に質問コメントしようかしら。でも英語なんだよねえ。。。
ふとビデオのタグを見ると”BennyGoodman”とある。
あれ?ベニーグッドマンってこんな感じだっけ?
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自分の中のベニーグッドマンの楽曲のイメージといえば、スイングガールズ(ビッグバンドで「シング・シング・シング!」)な、上海バンスキング(30年代?)なイメージがあって、あまり聴いてみたい音楽家ではなかった。いくらなんでも古過ぎるし・・・大編成の演奏は苦手だ。
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こんな録音があるのなら聴いてみよう!という事でそこから2、3時間かけて曲&アルバムを特定して、早速レコードを購入。
Benny Goodman Quartetの「Together Again」。
ベニーグッドマンといえばその風貌から落ち着いた紳士(もしくは優しいおじいちゃん)のイメージを持っていたし、クラリネットはその牧歌的な音色からほのぼのした楽器である印象を持っていたのですが、このアルバムのホットなカルテット演奏を聴いて驚いた。どうしたんだ、これ。次から次へとクラリネットのフレーズがスピード感をもって溢れ出してくる。それにつられて各パートの演奏の熱い事!クラリネットってこんな楽器なのか。
興味がわいたので他にも聴いてみた。
Capitolの10インチ盤。A面、B面ともデュオ→トリオ→カルテット→クインテットの順番に演奏(全8曲)が並んでいて、グッドマンのクラリネットが堪能できる。
これはTEXACO社のノベルティとして作られたもの(多分)。ヴォーカルものやビッグバンド、セクステット等いろいろな演奏スタイルのコロムビア録音の抜粋(エッセンシャル)盤。目を閉じてクラリネットを吹くグッドマンの横顔とタイトル(Swing→春!)の色使いがすごく素敵なジャケット。
TEXACOマーク。いろいろなレコードがあるのだなあ。
♪♪♪
グッドマンってクラリネットを曲によって、まるでサックスやトランペットのように演奏する。管楽器の事はよく知らないけど多分すごい技術なんだろうな。そして何よりもどの演奏を聴いてもベニーグッドマン(とそのバンド)の演奏というのは暖かくてゴキゲンで・・・そう!スイングしてる♪
"King of Swing"のBennyGoodmanをして「スイングしてる♪」というのは、あんまりじゃないかそのまんまじゃないか、という気もしなくもないですが、そう思ったんだから仕方ない。
どんな編成の演奏でも、どんな種類の曲でも、グッドマンのクラリネットも他のパートも、あらゆるものがスイングしてる。ビッグバンドのホーンはこちらに押し寄せる(前後にゆれる)波のようだし、各パートは右に左に斜めに上に・・方向はよくわからないけど、とにかく”ゆらし”ている。
というかこれがスイング・ジャズ?
"King of Swing"という言葉に影響されてるだけなのかも・・(-_-)。
なんだか意味不明な感想ですけど、とにもかくにもベニーグッドマンの演奏というのは聴いていて楽しくなる。
ひょんなきっかけですけど、お気に入りが増えるというのは、何だってすごく嬉しい。