モノのモノ(の続き) [オーディオ]
写真はアナログプレーヤーのサブ機パイオニアXL-1550。
多分70年代終わり頃のいわゆる598クラスの製品。
4年半ほど前、ほんの気まぐれでこれをオークションで入手した事がレコード趣味を再開するきっかけになった。
メイン機(LINN AXIS)を入手した以降は主にレコードクリーニングの作業台として使っていたが、AXISのアームがシェル固定式でカートリッジ交換が面倒である為、モノラル再生機として最近は活用されている。
音的な話について。例えば簡単な例で、レコードに針が乗る瞬間の音を同じカートリッジを使って聞き比べた時、LINNが「ボツ(Botu)」という音なのに対して、こちらは「プツ(Putu)」という音がする。
情報量の差という事になるのだろうけど、その代わりというか高音域では国産機ならではの軽いキラキラした感じがあって、例えば80年代のジャパニーズ・ポップLP(聖子ちゃんなど...)を聞くにはこちらの方がしっくりくるところもある。
結局のところ、各メーカーそれぞれで狙った音作りが行われている、という事なのだと思う。
※最近の傾向は知らないし、あくまで自分の受ける印象ですけど、LINNのプロダクトはターンテーブルに限らず、あまり色を付けずに音楽の骨格を太くわかりやすく表現するといった印象があります。最初はすごく違和感を感じたけれど、オーディオという制約の中で音楽を楽しませるにはひとつの方向だなと納得。
♪ ♪ ♪
MONO専用機という事ではビンテージなプレーヤーが欲しいと思ったりもしますが、これはこれで思い入れもあるし、気兼ねせず使えるレコードクリーニング作業台も必要・・・。ん、なんか使い方間違ってる?
随分とモノを有効活用しているなあ、と思ってます。
という事で最近はモノラルレコードばかり聴いている。
モノのモノ [オーディオ]
所有するレコードのうち約2割はMONO盤であるので、当然MONOカートリッジを用意してある。
写真(下)は以前から使っているオーディオテクニカのAT-MONO3/LP。
使用頻度は少ないとはいえ、使用開始2年以上経過して貴重なオリジナル盤を再生するには針先に不安も出てきた為、写真(上)のDENON(デンオン)DL-102を購入した。
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テクニカの上位機種AT33MONO等、別の機種も考えたのですが、「一度は使ってみるべき」DL-102を今回は選択。
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ビニール素材のレコード再生で自然界でもっとも硬いダイアモンドの針が本当に磨耗するのか?という話には諸説紛々ありますが、完全にクリーニングされたレコードをクリーンルームでを再生するような状況以外では、やはり磨耗(劣化)はあると思っています。
それはレコード盤との摩擦によるというよりも、溝の中に入りこんだホコリやゴミ(ミクロな世界の話ですがホコリの中には石のような硬さを持つものもある)に繰り返し衝突する事により、針先が磨耗する、キズがつく、といった事が起きるのだと思ってます。そんな事を考えるとやはり適切なレコードクリーニングというのは欠かせない。
話がそれてしまいました。
DL-102なんですけど、ピンの形状(2本で異様に長い)やその重さ(13グラム。テクニカの2倍!)などから扱いにくい事この上なし。
物理は苦手ですけど、重量のあるカートリッジを軽量のシェルに取り付けた場合どこかでバランスが崩れそうな気がする・・・という事で手持ちの中でも最も重いシェルを選んで取り付けてみた。すると当然のごとく前が重くなりすぎてゼロバランスが取れない。
という事でウェイト部にこんな工夫。
10円玉を3枚貼り付けた。それにしてもみっともない。
で、ワインキャップを使ってみた。大して変わらん。。。
聞いてみた感想ですが、一言でいってすごく好感のもてる音。
普通というのか中庸というのか、初めて聞く音なのに違和感というものが全くない。
昔から聞いてきたような音。
あまりに違和感がないので聞きようによっては新鮮味がなくつまらない?
朴訥というか実直というか、Well respectedな感じ?
対してテクニカの方はもう少し現代的というのか、決して濃くはないけど特有の色付けがある。
どちらにも共通するのはなんともいえぬ安心感。
不確定要素のカタマリのようなアナログ再生のシステムの中、ここだけは間違いがないという安心感がある。
ひたすら真面目に仕事をする。仕事は絶対に間違わない。
信頼できる友人というか、仕事を任せて一番安心できるタイプ。
音の傾向といい安心感といい、なんとなくヤマハピアノとカワイピアノを思い出してしまいました。
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こういう120点は取れないけど常に100点を外さない仕事をする製品はオーディオのような趣味の世界ではつまらないという事になるのかもしれないけど、工業製品としてそれ以上のものはない。
こういう製品を作り上げるまでには地道な研究開発の積み重ねがあったのだと思うし、こんな製品はやっぱり世界で日本の企業にしか作れないものだと思う。Made in Japanを見直してしまった。
今の時代にこのようなニッチな製品を製造・販売したところでどれほどの利益があるのかと心配してしまいますけど、それでもこんな高品質の製品を提供し続けてくれるテクニカとDENONという企業にはなんだか拍手を送りたい気分になってしまったのです。
ナイフの切れ味 [雑感]
いつに間に変更されたのか。あまりころころ変更するのはどうなんだろ、また重くなりそうな予感が・・・等と思って見ていると、管理ページの「ブログを追加する」のリンクに目に止まった。
(以前からあったような気もするけど、あまり意識した事はなかった。)
え~ブログが追加出来るって事はつまり...
個人で複数のブログを持てるという事で、それは当ブログにちょっとマンネリ傾向を感じている自分にとってまさに渡りに舟。自分が本来目指している「ナイフの切れ味を持ったブログ」が持てるかも。
解説:ナイフの切れ味ブログとは
ページは黒で統一し、文体は「です・ます調」一切なし。
専門用語濫用、冗長な印象を与えるフォロー説明も一切なし。
コメント欄も閉鎖し「俺の考えに異を唱える事は許さん!」みたいな強さで
世の中の悪を切っては捨てる強烈なブログ。
まさに傲岸不遜。なんて男らしい・・・。
よく考えたらこのブログもろくに更新できていないのに、2つもブログを抱えても、その行く末はなんとなく目に見えるよう・・・。
という事でやっぱりこのブログ1本でやっていくか、という結論に達したのでした(了)
しかし、いつにも増して意味のない記事ダナ~(-_-。
LITTLE JAMMER@モス [雑感]
腹が減ったので近所のモスバーガーに行った。
普段は座らないカウンター席に座ってみると、
目の前で小さなピアニストが一生懸命ピアノを弾いていた。
小さな小さなバンド演奏。
横にもこんなに控えてました。
♪ ♪ ♪
GOODMANに出会う [レコード]
Youtubeには思いもかけない意外なビデオがあったりする。
オーディオ機器の自慢なのかレコードの紹介なのか、ターンテーブル(レコードプレーヤー)でただレコードを再生しているビデオ。世間一般の人が見れば「ナンジャコレ?」の内容ですけど、レコード好きにとってはそんなものでも見ていて楽しい。飽きない。
と、今年の初めにその種のビデオをYoutubeで見ていた時、往年の銘機の上で回るレコードから流れる音楽のひとつに猛烈に惹かれてしまったのである。小編成のJAZZ。ビブラフォンの音が印象的で、なんとも小粋で洒落た演奏。
繰り返し聴いていたら頭の中でも鳴り始めて、曲名・演奏者を知りたくなったのですが、さてどうやって調べればよいのやら。投稿者に質問コメントしようかしら。でも英語なんだよねえ。。。
ふとビデオのタグを見ると”BennyGoodman”とある。
あれ?ベニーグッドマンってこんな感じだっけ?
※
自分の中のベニーグッドマンの楽曲のイメージといえば、スイングガールズ(ビッグバンドで「シング・シング・シング!」)な、上海バンスキング(30年代?)なイメージがあって、あまり聴いてみたい音楽家ではなかった。いくらなんでも古過ぎるし・・・大編成の演奏は苦手だ。
※※
こんな録音があるのなら聴いてみよう!という事でそこから2、3時間かけて曲&アルバムを特定して、早速レコードを購入。
Benny Goodman Quartetの「Together Again」。
ベニーグッドマンといえばその風貌から落ち着いた紳士(もしくは優しいおじいちゃん)のイメージを持っていたし、クラリネットはその牧歌的な音色からほのぼのした楽器である印象を持っていたのですが、このアルバムのホットなカルテット演奏を聴いて驚いた。どうしたんだ、これ。次から次へとクラリネットのフレーズがスピード感をもって溢れ出してくる。それにつられて各パートの演奏の熱い事!クラリネットってこんな楽器なのか。
興味がわいたので他にも聴いてみた。
Capitolの10インチ盤。A面、B面ともデュオ→トリオ→カルテット→クインテットの順番に演奏(全8曲)が並んでいて、グッドマンのクラリネットが堪能できる。
これはTEXACO社のノベルティとして作られたもの(多分)。ヴォーカルものやビッグバンド、セクステット等いろいろな演奏スタイルのコロムビア録音の抜粋(エッセンシャル)盤。目を閉じてクラリネットを吹くグッドマンの横顔とタイトル(Swing→春!)の色使いがすごく素敵なジャケット。
TEXACOマーク。いろいろなレコードがあるのだなあ。
♪♪♪
グッドマンってクラリネットを曲によって、まるでサックスやトランペットのように演奏する。管楽器の事はよく知らないけど多分すごい技術なんだろうな。そして何よりもどの演奏を聴いてもベニーグッドマン(とそのバンド)の演奏というのは暖かくてゴキゲンで・・・そう!スイングしてる♪
"King of Swing"のBennyGoodmanをして「スイングしてる♪」というのは、あんまりじゃないかそのまんまじゃないか、という気もしなくもないですが、そう思ったんだから仕方ない。
どんな編成の演奏でも、どんな種類の曲でも、グッドマンのクラリネットも他のパートも、あらゆるものがスイングしてる。ビッグバンドのホーンはこちらに押し寄せる(前後にゆれる)波のようだし、各パートは右に左に斜めに上に・・方向はよくわからないけど、とにかく”ゆらし”ている。
というかこれがスイング・ジャズ?
"King of Swing"という言葉に影響されてるだけなのかも・・(-_-)。
なんだか意味不明な感想ですけど、とにもかくにもベニーグッドマンの演奏というのは聴いていて楽しくなる。
ひょんなきっかけですけど、お気に入りが増えるというのは、何だってすごく嬉しい。