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イル・ジャルディーノ・アルモニコ [音楽]


年末年始にかけて沢山の音楽好きな方のブログで書かれていたのが、2007ベスト(アルバム)記事。
ワタシもそんな記事を書いてみたい!と思っていたのですが、何故か筆が進まない。
 
'BEST'、'THE'・・・などと心から感じたものがなかったのか?
なかったような気もするし、あったような気もするし・・・。
 
忘れた・・・(爆。
 
 
という事で、昨年聴いた回数が多分一番多かったCDを紹介します。
 
去年の6月頃に購入した2006年発売のイル・ジャルディーノ・アルモニコのBOXセット。
ヴィヴァルディ作品を中心に90年代の彼らの録音が(多分)全部収まってます。
 

*CD11枚組みで5000円弱。
欧米ではクラシック・ジャズなどの旧音源を集めて、こうして廉価でBOX発売する事が多い。日本でもやればいいのに・・・やりませんよねぇ。。
 
♪♪♪
 
イル・ジャルディーノ・アルモニコはイタリアのオリジナル楽器によるバロック・アンサンブル集団で、早めのテンポと振幅の大きなアーティキュレーション(ひらたくいうとちょっと大げさ?)による生き生きとした演奏が特徴(※過激と評される事もあるけれど、決して奇を衒ったものではない)。
 
今では当たり前のオリジナル楽器によるクラシック演奏は、重いコートを脱ぎ捨てたような軽やかさがあって好きですが、アカデミックな部分(当時の演奏の忠実な再現)に重きを置きすぎて「平べったい」と感じる演奏も少なくない。
 
どんな時代であってもどんな楽器を使っても、音楽は弾く人と聴く人のカラダやココロを動かすためのものだと思うので、こういう感覚に直接訴えるかのようなダイナミックな演奏スタイルは大好きなのです。
 
※吉田秀和さんが、97年録音の「ブランデンブルグ協奏曲」のレコード評で「グールドを想起した」と言っていたけど、それはわかる気がする。グールドは内向きな方法論ではあるけれど、自分が見つけた音楽の気持ち良さの秘密を(自身で日々味わいつつ)人に伝えたくてたまらなかった人だと思うのです。自分の好きなものは人に話したくてたまらないから・・・。
彼らも同じ事をやっているのだと思う。「ほら!面白いでしょ!これはどうだ!こういうのも凄いよ!」って。

  
*「ブランデンブルグ協奏曲」CDのパンクなジャケ写。なんとなく演奏のイメージが伝わるでしょうか?
 
11枚のディスクに全部で数百曲?収録。
有名な「四季」等を除けば、初めて聴く曲が大半を占めるのですが、綺麗にまとめるというよりは演奏のエネルギーをそのままパッキングしたような録音(これもグールド的?)もオーディオ的に刺激的で聴いていて退屈なディスクが一枚もない。
演奏と作品(特にヴィヴァルディ作品)と録音の相性が本当に良くて、聴いていてゾクゾクしてました。
 
※このCDを聴く為に一時期アンプをサブ機(Naim)に交換。両者の熱っぽさがこれまた絶妙のマッチング。
  
自分はバロックといえばバッハな人だったのですが、このBOXセットを聴いてヴィヴァルディも大好きになりました。
ヴィヴァルディは生涯に500以上の大量の協奏曲を書いたそうですが似たような曲が多く、部分的にフレーズを聴いて曲を当てるのはプロでも至難の技なのだとか。このBOXもどの曲を聴いても同じ・・・というより、どれを聴いても楽しいので、選んで聴くというよりもランダムにディスクを選んで聴く聴き方をしてました。美味しいものをお腹いっぱい。これぞベストCD。
 
普段ポピュラー音楽を中心に聴いている人も是非聴いてみて下さい。
いろいろなものがほとばしってます。


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鯉三

イル・ジャルディーノ・アルモニコはずっと気になっていました。ふじのしんさんの記事、特に吉田秀和さん(!)が書いたというグールドへの言及には深く興味をもちました。
ぜひ購入してみたいと思っています。

「ブランデンブルグ協奏曲」のジャケット、ちょっと信じられないですね。
by 鯉三 (2008-01-12 01:42) 

たいへー

まだ未開発のジャンルであります。
もう少し歳を取ったら、聴くようになるかもしれません。
by たいへー (2008-01-12 09:05) 

くみみん

こんにちは。
グレン・グールドって発言集が出ているぐらいの人ですよね。発言っていうか奇言?
そういう人間性も音楽に表れてそうです♪
グールドっていうとバッハだと思ってました。ビバルディも聞いてみたいですね=^-^=
by くみみん (2008-01-12 12:51) 

Buji

>鯉三さん
600Nice頂きました。ありがとうございました。

吉田秀和さんの評論は好きで、クラシックを聴く時の参考にしてました。ご本人がグールドを高く評価しているという事は差し引いても、アルモニコとグールドに共通するものを見たというのは本当にすごい感性だなあと思います。

この時代の音楽、演奏側の独自の研究や解釈に拠る部分が大きくて、そこから生まれる表現の自由度が好きなのです。
by Buji (2008-01-14 11:32) 

Buji

>たいへーさん
クラシックというと退屈なイメージがあったりするんですが、ものによってはロックなど以上に激しくて熱いものもあるような気がします。
というか、いつの時代も、どんな音楽でも、やってる事は同じなんだと・・・。
小編成のアンサンブルはオーディオ的にもすごく面白いと思います。
by Buji (2008-01-14 11:35) 

Buji

>kumiminさん
本当に書店に行くと棚一段くらい並んでますね^^。
グールドはその特異な能力によってバッハ作品などの中に、普通の人では見る事が出来ない世界を見ていた人なのだと思います(それゆえのちょっと風変わりな言行?)。
演奏(特にバッハ演奏)は誰も真似のできない素晴らしいものだと思ってます。
by Buji (2008-01-14 11:37) 

Buji

>きむたこさん
ご訪問&nice、ありがとうございました。
by Buji (2008-01-14 11:38) 

まめぞう

「 アルモニコ   」という言葉を聞いて、「 アルニコ磁石 」を思い出す僕は病気でしょうか?σ(^_^;)

ブランデンブルグ協奏曲のジャケット、何だか橋梁の下などにあるスプレー落書きのような・・・

ドラスティックな今の時代とバロックから古典派への変換期と重ね合わせているというか・・・そんなこんなを象徴しているような・・・とても深いものを感じますです。

あ、意味不明ですみません。先ほど帰宅いたしまして、お風呂入って・・・

多分麦焼酎のせいです。d( ̄∇ ̄*)☆\(--こら
by まめぞう (2008-01-18 23:11) 

Buji

>エルモさん
嗚呼アルニコ磁石( ・∀・)!全然病気じゃないです(笑。
しかし「アルモニコ」どういう意味なんでしょうね。
イタリア語全然わかりません。

ワタシもよく飲酒しながらブログ書きをしたりします。
というか、殆どそうなんですけど・・・^_^。
by Buji (2008-01-20 00:16) 

diminutione

はじめまして
以前の記事を発見&拝見したのでおじゃま致します。
今年12月、エンリコ・オノフリ氏(イルジャルディーノのコンマス&独奏)として20年来活躍)が紀尾井ホールで「四季」を全曲演奏するとの情報を得ました〜。もしやすでにご存じかもしれません。。。
以下、日本の公式ファンサイトで、詳細を見る事ができます。
エンリコ・オノフリ ファンサイト
http://homepage3.nifty.com/enricoonofri/
12月が今からとても楽しみな私です。。。
by diminutione (2009-09-09 18:21) 

ふじのしん

>diminutioneさん
こんばんは。はじめまして。
サイト見てたらCD聴いた時の昂ぶりを思い出してしまいました。これは聴いてみたいな~。情報ありがとうございました。

by ふじのしん (2009-09-11 01:05) 

diminutione

こんばんは。
そうですよね〜!
はやく聴きたい。。。
私はラ・フォルジュルネのときにポルトガルのオーケストラと来日して、指揮していたオノフリ氏に超感激&驚愕して以来のファンです。
あのときは、プログラムが全て終わるや、観客の方が立ち上がり、カーテンコールが何度も何度も続き、皆が舞台に押し寄せる程、会場が興奮の渦に包まれました。。。すごかったです。。。
by diminutione (2009-09-12 00:39) 

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