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ディスコ探偵水曜日 [HOBBY]


休日、有楽町に向かう地下鉄に乗っていたのである。
わりと空いている車内の中、子供を連れた男性がいた。
 
子供は小学4年生くらいの男の子。
男性は年齢は46くらい、いかにも真面目なサラリーマン風。
背が高くて180くらいはあるかしら。
普段はスーツが似合いそうだけど、今日はポロシャツが似合ってるね。
 
男性は分厚い本を熱心に読んでいた。
本の扱いがラフな人なのか、ソフトカバーを
大きな手で
丸めるようにして読んでいるのである。
 
読み疲れたのかしばらくして本が閉じられた。
その瞬間、本の表紙に目が釘付けになったのである。
 
「ディスコ探偵水曜日」。

変だ!言葉の組み合わせがおかしい!

形容詞+名詞(職業)+固有名詞(名前)のパターン「私立探偵ふじのしん」ならわかるし、一歩譲って「ディスコ探偵ふじのしん」でもいいんだけどディスコな探偵が水曜日って・・・なんで曜日なんだ?

それに一体どんな話しでそんなにページを必要とするのやら。本が妙に厚い・・・。
さらには表紙にギークな美少女アニメ風イラストが描かれているし・・・。
 
う~む。



 
無性に興味がわいてしまったので、帰宅してからamazon&wikiで調べてみたのである。
 
「ディスコ探偵水曜日」は舞城王太郎という作家の新刊で、上下巻合わせて1000ページの大作。
初めて知った作家なのだけれど、舞城王太郎は福井県出身の覆面作家・・・なんか面白い。
※人の名前を笑っちゃいけないんだけど王太郎って・・・すごい名前だ(笑)。
 
代表作は「煙か土か食い物」「阿修羅ガール」「好き好き大好き超愛してる。」「スクールアタック・シンドローム」等々。

何だか引っ掛かる。
一見、奇を衒ってつけたような気がしなくもないタイトルですが、巷に溢れる単に人目を引く為のそれとは何か違うような気がする。独特の語感。安っぽさとカッコ良さが紙一重。こういう微妙なネーミングセンスのある作家なら面白い小説を書くのではないかと、妙な直感が働いた。

一体どんな作風なのだろうと、新潮社の「立ち読みサイト」で「ディスコ探偵」の書き出し部分を読んで見たのである。
 
http://www.shinchosha.co.jp/books/html/458003.html
 
これは読みにくい。さらには一部意味が通じてないような気がするし・・・。

一瞬だめだこりゃ!と思ったのですが、じわじわと妙なエネルギーが感じられるのである。
まるで辛いけど美味しいカレーのよう。さらには引き込まれるような感覚。 

う~む。

 

 
個人的な事なのか出版業界全般の問題なのかはわからないけれど、昨今「一体この中には何が書いてあるのか?開いてみたい読んでみたい!」と思わせる書物が少なくなっている気がしている。なんとなく書いている事が想像できるというか、読まなくてもいいと思わせてしまうというか。
 
そんな中で、「読みにくそう。でも読んでみたい」と思わせる雰囲気を受けるというのは珍しい事だし、そこにはやっぱり力というものが潜んでいるような気がする。

とはいえ、独特な作風を持つ作家の1000ページもの大作をいきなり読み始め、外してしまって時間を無駄にするのは嫌だ。

・・・という事で、
まずは文庫本から試してみる事にしたのである。

RIMG0323.JPG
とりあえず3冊。「好き好き」の装丁が・・・fancy!


全部読み終えて感じるものがあったら「ディスコ探偵・・」にチャレンジしてみる予定です。
目指せ「ディスコ探偵水曜日」!



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コメント 11

たいへー

1000ページという文字に、もう挫折している私です。(笑
タイトルに面白いインパクトがあるから、
興味をそそられますよね。
若い人をターゲットにしてるのかな?
by たいへー (2008-10-09 07:41) 

fop

リンクされていた「立ち読みサイト」で読んでみました。
言葉や文脈があっちこっちに飛びつつ、でもそれが不思議な印象を与える文章だなぁと感じました。
無関係同士の言葉が繋がって新しい意味とか価値が生まれてくるような文章ですね。

で、小説としてお話し自体を楽しめるのかというと、ちょっと心配な気がしてきました(笑


by fop (2008-10-09 12:13) 

ふじのしん

>たいへーさん
結構ユニークな表現の作家です。
たしか作者は36で、自分の世代に比べて若干若者向きなのかなと。
あまりに厚い本だと敬遠されそうですよね。。。
by ふじのしん (2008-10-09 13:01) 

ふじのしん

>fopさん
そもそものきっかけは、デカく真面目そうなサラリーマンが、ディスコ探偵水曜日という変なタイトルの本を熱心に読んでいた・・ところにありまして。ちょっと不思議な光景でした。

1冊目を読み終え、今2冊目なんですが、この作家、多彩な文体・表現形式をおそろしく器用に使い分けてます。仰るとおり「ディスコ」の冒頭を読むと、物語として楽しめるかは疑問な感もありますが、何か新しいものを感じさせるチカラがあるなあと思ってしまいました。最近のプチマイブームです。。。

by ふじのしん (2008-10-09 13:05) 

kumimin

おはようございます。
ぜひぜひ「ディスコ探偵水曜日」を読破してください♪
すごーく気になります=^^=
最近、ただで読める携帯小説をちらっと読んでるんですが誤字脱字とかけっこうあるんですけど読んじゃうんですよね。

by kumimin (2008-10-10 09:20) 

ふじのしん

>kumiminさん
こんにちは。携帯小説ってもしかして今話題の「あたし彼女」でしょうか?
これ小説か?って感じなんですが、是非(そちらも)読んでみたいなと思ってます。
小説でも何でも基本的に新しいスタイルが出てくるとどうしてもスルーが出来なくて・・・若者ですね~^^。
by ふじのしん (2008-10-10 13:02) 

鯉三

「ディスコ探偵水曜日」は、やっぱりおもしろい日本語ですね。
一体どこで区切ったらいいんだろうか。
なんだかどれも人を喰ったようなタイトルですね。でも、何か言葉遊びが上手なような気もするし、それが作品になんらかの効果を与えているのなら、読んでみておもしろそうですね。

by 鯉三 (2008-10-14 23:29) 

ふじのしん

>鯉三さん
この人の作品、読むのに抵抗を感じる表現や文体があり、はっとするような構成にも面食らったりもするんですが、読み進めてテーマが次第にあらわになるにつれ、効果的な手段を選んでいるのかも、と思わせるところがあります。
「好き好き大好き超愛してる。」は石原慎太郎に「タイトルを見ただけでうんざりした」と批判されたのだとか。なんだかわかる気がします。評価し難い、というか掴み所が難しい部分があるんですね。

by ふじのしん (2008-10-15 12:56) 

坂田マンボ之介

舞城王太郎は数年前に何冊か読みましたが、ストーリー展開が複雑ながらスピーディーでそれなりに面白いと思いましたよ。
昔言うところの新人類的な発想で、文体もぶっ壊し系だったり、新しい表現を模索している感もあり、発展途上なんでしょうけど、もっと作品を出していくと、かなり良くなるんじゃないかな~と思いました。

この舞城王太郎は、プロフィールは謎に包まれてますが、今庄出身でしたよね。
by 坂田マンボ之介 (2008-10-23 08:26) 

ふじのしん

>マンボさん
”い”と”ま”をひっくり返してマイジョウだとか(←ローカル?。
作中の会話がモロ福井弁で懐かしくなったり、そこにさらに今風言葉も加わってなにやら不思議な感覚(昔と今が交錯?)になったりしました。

この人普通のスタイルでいけば、もっと評価されそうな気もするんですが、そうするとオリジナリティがなくなるし、そんなところで結構試行錯誤してるのかな~と思ってます。なんだか妙に興味を抱かせるところを持っている不思議な作家です。
by ふじのしん (2008-10-23 18:57) 

ふじのしん

>きむたこさん
ご訪問&Niceありがとうございました。
by ふじのしん (2008-12-10 13:10) 

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